Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
暫くすると、このせっかくの好い心持になっていた道庵先生が、
「ア、痛ッ」
いやというほど頭を蹴飛ばされてしまったものです。
十八文で有頂天になっていた先生も、頭を蹴飛ばされればやはり痛いから、痛ッと言ってみたが、頭を抑えるのも気が利かないと見えて、申しわけに痛いと言っただけでまた眠ってしまおうとすると、その上へどさりと折重なった者がありました。いくら道庵先生でも踏んだり蹴ったりでは黙っていられない。
「誰だ、誰だ」
周章て跳ね起きると、
「どうも相済みません、どうか御免なすって」
折重なって倒れかかった人は、低い声をして丁寧に道庵先生にお詫びを申します。
「気をつけて歩きねえ」
「どうか御免なすって」
暗い中を通りかかって、ふと道庵先生の身体に躓いて倒れたものと見えました。おりからの夢を破られて、道庵先生の酔いも少し薄らいでいたところへ、夜の河風が襟元に吹き込んだもんだから、眼がさめて大きな欠伸をしました。見ると、一人の老人らしいのが小さな男を背中に引っかけて、しきりに道庵先生にお詫びをする。
「お怪我はございませんでしたか、ついこの通り病人を抱えておりますものでございますから」