Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
「別に怪我もねえが、ずいぶん驚いたよ」
「どうも相済みません」
老人はお詫びを言って、道庵先生をとりなして、あえぎあえぎ向うへ行こうとするのを、
「おい、待った待った」
道庵先生が呼び止めました。
「何か御用でございますか」
「今お前さんは、病人を抱えていると言いなすったな、病人をつれてどこへ行くんだい」「へい、あの、お医者様のところまで……」
「お医者様? お医者様ならここにいる、ここにいる」
「へえ……」
「お医者様ならここに一人いるよ、ごく安いのが一人いるよ」
まだまだ先生も、決して酔が醒めてはいないのでした。
小男を背中へ引っかけた老人は、暗い中から透して見ると、なるほどその人は茶筅頭をして、お医者さんの恰好をしているから、
「あなた様はお医者様でございますか」
「こう見えても医者は医者だよ、医者は医者だが薬箱持たぬ」
医者には違いないらしいが酔っていることは確かでありました。酔っていてもなんでも医者でありさえすれば、急病人にとっては渡りに舟であります。行きかけた老人は、幸いここで見てもらおうか、どうしようかと暫らく思案の体であったが、すぐに立戻って、
「急病人でございますが、ちょっと見ていただきたいもので」