Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
人に知られると困るんでございますから」
「安心しろよ」
道庵先生はまた堤の上へゴロリと寝てしまいました。
十九
お絹は、二見ヶ浦の海岸の清涯亭という宿の離れにつづいた四阿の中で、長いこと人を待っているのでありました。やがて、編笠を被って海岸伝いにやって来る一人の武士がありました。
武士は松林の中を歩んで来る、お絹は、それを迎えるように松林の中へ入る。武士というけれども、まだごく若い人のようであります。
「宇津木さん、ここよ」
若い武士は歩みをとどめて笠を傾げてこちらを見る。
「お前様は――」
「ええ、お松の仮親のわたくしでございます、さっきから待っておりました」
この武士は宇津木兵馬でありました。兵馬は呆れたような面をしてお絹を眺めたままで立っています。
お絹の方は、いっこう平気らしく、
「宇津木さん、さだめてまたかとお驚きなすったでしょう、けれどもね、今度は前とは違いますよ、前とは違って真剣にあなたにお話をして上げなければならないことがあるのですから」
「お前様は御身分柄にもないことをなさる、嗜まっしゃるがようござるぞ」
兵馬は苦りきって、なおお絹の面を睨めていると、