Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
立ちますならば御勝手になさいまし……わたしは人柄がこんなで身を持ち崩してしまったから、真剣に言っても浮気に取られるのが口惜しい、わたしだって時と場合によれば、ずいぶんこれで涙脆いことがありますのよ。あの御徒町の島田虎之助先生とも言われるお方が、人手にかかってお果てなさるとは……」
「ナニ、人手にかかって?」
「そのお話を聞いた時は、わたしのようなものでも涙がこぼれましたねえ、あの先生がまあ……」
「島田先生が人手にかかって……いよいよそれは偽りじゃ、嘘じゃ、人手にかかって亡くなられる、そのようなはずがない、余人ならば知らぬこと、島田先生が人手にかかって――そんなこと、そんなことのあるべきはずがない、天地が逆さになったとて」
兵馬の舌がおのずから縺れる。
「それほどわたしの言うことを御信用なさらないのなら、それでようございます、もう何も申し上げますまい。なるほど、島田先生は人手にかかるお方ではない、今の世に尋常であの先生を手にかけるような手利はないにきまっている、それはあなたのおっしゃるまでもないこと、誰でも知っていますけれど、なにも刃物ばかりが人手ではなし……」