Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

「そんならどうして先生が」

「毒ですよ、島田虎之助先生は毒を盛られておなくなりになりました」

「毒?」

兵馬の渾身の血が逆流するかと見えました。

「それだけお話し申し上げたら、もうわたしの役目も済みました、それではこれでお暇を致しましょう」

「ま、待って、もう暫く」

攻守勢いを異にしてしまい、兵馬はお絹の袖を捉えてはなさないのでありました。

「わたしのお呼立てしたことが、真剣でしたことか浮気でしたことか、それがおわかりになれば、わたしはもうお暇を致します」

「よく教えて下された、嘘か真か、そのような疑いを申していられることではない、お礼を申し上げまする」

兵馬の眼から涙が落ちる。

「いいえ、お礼では痛み入ります。ああ、これでわたしの心持が届いて嬉しい」

「どうか御存じならば、もう少し詳しくそのことをお話し下さらぬか」

「知っているだけは、お話し申しましょうとも。けれども、こんなところではお話をしにくいから、あれへ参りましょう、あの清涯亭という宿、あそこに申し付けてありますから、静かなところで、ゆっくりお話し申し上げたいと思います」

「いや、それは……」

兵馬はそれを躊躇しました。