Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

「あれが天竜寺」

横目に睨んで浜松の町へ入る。

「いよいよ浜松だ、日本左衛門で売れたところよ。日本左衛門という奴は、また鼠小僧とは貫禄が違う、あの大将は手下に働かせて自分は働かず、床几に腰をかけて指図をしていたもんだ。平常、黒羽二重の紋付を着て、雑色は身に着けなかったという気象だ。鼠小僧はこちとらに毛の生えた質の奴で、子分を持たずに一人で鼠のように駈け廻った男だが、日本左衛門は虎になりそこなった大物だ、乱世ならば一国一城の大名になり兼ねねえ奴だ」

こんなことを言いながら浜松の町を真直ぐに通って、

「広いようで狭いというのがこの土地だが、それでも町の長さは二十八丁あって、家数は三千からある。さあ、ここらで泊るとやらかそう」

てんま町へ来て大米屋一郎右衛門とある宿屋へ着く。

牛に曳かれて浜松まで来た七兵衛。さて数えてみれば、薩※(「土へん+垂」、第3水準1-15-51)峠の前を別にして、あれからでも約三十里の道。

湯から上った七兵衛、

「がんりきさん、天竜寺の一件はどうしたい」

腰を落着けて飲んでいたがんりき、

「今夜は駄目駄目、明日のことだ」

七兵衛も坐り込んで二人飲みながらの話。