Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
たから、その心持で北を指して出かけました。
無分別で出て来たお君。生れ土地から尾上山の外へ出たことのないお君。東の空に光る宵の明星をめあてに、只管に二里ばかり歩きつづけましたが、そこで一筋の広い道が東から来て筋違いになるところの庚申塔の前に立って、行先に迷うていました。めざして行く掛川はどの辺で、出て来た三浜の漁村はどこであったか、それさえ見当がつきません。
掛川へ出て、清水港へ行くつもり。旅芸人の中に入ってなりとも、その目的を果すにさして困難はあるまいと思っていたが、どうして、僅かに浜からここまで来てさえこの足、もう右へ行ってよいのか左へ行ってよいのかわからなくなってしまったものを、二十里三十里の清水港までどうしてこれで旅がし通せよう。お君は自分の足が覚束なくなるにつれて心細さが増してきました。
ちょうどその時分、東がようやく白んで、いずこの里かで鶏の鳴くのが聞えました。空の明るくなることは、人の心をも明るい方へ持って行く、鶏の鳴く音は、人里懐しい響を伝えるので、お君も気が引立ちました。そうしていま眼の前へ出た広い道を取って一里ほど行って、とある百姓家の裏で水を汲んでいた百姓のおかみさんに、