Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

徹る声でした。わたしも前にあの先生がおいでなさると思うから、一人であんな淋しいところを湯島まで帰る気になったのでございます」

「後ろから来てすれ違ったというのはそりゃ何者」

「それが、頭巾を目深にかぶっていたものだから面はしかとわかりませんでしたけれど、小腋に槍をこう抱えて、すうっと、わたしを抜いて行く後ろ姿に見覚えがある。名前は申し上げませんが大島流の槍の遣い手で、やはり旗本のうちの一人なんでございます。はて、あの人が槍を抱えて島田先生のあとを覘って行くなと思うと、さきの毒一件から、またわたしの胸が噪ぎ出しました」

「…………」

「それとは知らずに島田先生は、跡白河を行く波の、いつ帰るべき旅ならん……ここまで来ると謡の節が立消えて、先生の足許が右の方へよろよろとしました。わたしがハッと思うと、先生のうんと唸る声、かっと地面へ何かお吐きなされたようで――あとで思えばそれは血でした。先生はその時に夥しい血を吐いておしまいなすったのでしたが、わたしはそんなことは知りませんから、それと一緒に先生の足許がよろよろよろ、右へ左へよろけるのを、踏み締め踏み締めしておいでなさる様子が、おかしいと思いました。