Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

まさかあのお邸で飲んだ酒が、ここまで来て急に酔いが出たわけでもあるまいし、そうかといって謡の興に乗って、往来中で舞をなさるような先生ではなし、これはと思っていますところへ、ようござんすか、いま申しました大島流の槍の一筋――先生の背後から楯も透れと――あたしはもう、先生が殺されてしまったと思いました、さすが名人でも、こういうところを突かれたのでは駄目だと思って、身ぶるいをして眼をつぶってしまいました」

「…………」

「毒が廻ったんだなと、わたしは直ぐその時、そう思ってしまいました。いかに強い先生だって、毒を盛られて、中から五臓六腑を絞られたんではたまりません、ああお気の毒な、あれほどの先生が、こんなことで暗々と……わたしはお気の毒なのと口惜しいのと怖ろしいのとで、目をつぶってしまいました」

「…………」

「それでも少したって目をあけて見ると、先生は殺されやしないんです、突かれてもいないのですね、一方は槍をこう構えているのに先生は向うを向いて、やはりよろよろとした足許で歩いているのです。もしわたしが男なら、女でも薙刀の一手も心得ていようものなら、あとから助太刀と出るところなんですが、悲しいことにわたしは花鋏よりほかに刃物を扱ったことがない女でございますから、怖い思いをしながら、むざむざとそれを見殺し……ただ見ている