Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

「おう、気味の悪い、人の片腕、こりゃ人間の片腕ではございませぬかいなあ」

落葉の上の片腕、血は雨に打たれてドロドロにとけて流れている。

「ああ、ここには人が一人殺されて倒れていますわいなあ」

「ナニ、人が殺されて?」

山の娘は、今度は走り出さないで、十余人が一度にかたまってしまう。針鼠は危険に遭うた時は、敵へ向っては反抗しないで、かえってわが身を縮める。山の娘たちもまた、危難の暗示ある時は、遠のいていたものが必ず密集する、そうして組の頭の取締りの者がまず口を開くまでは、なんとも言わないのが例となっているのでした。

「皆さん」

真中に立った頭の女は三十ぐらいの年頃で、血色がよくて分別のありそうな人。

「はい」

一同は神妙に返事をする。

「身延参りをなさんす旅の人が、今これで追剥にあいなさったようじゃ。これから先の道が危ない。皆さんたち甲州入りをなさる気か、それとも駿河の方へ帰りますか」

「それは姉さん次第」

「それなら皆さん、駿河へ帰るも甲州へ入るも人家までは同じぐらいの道程、いっそ甲州へ入ることに致しましょう」

「承知しました」

「わたしが先へ立って参ります、お浪さん後からおいでなさい、いちばん若い人を真中にして」