Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

七兵衛は棒の先で砂場へ穴を掘って、足の先で腕を蹴込んで、砂をかぶせて、南無阿弥陀仏をいう。

四

福士の宿屋へ泊った七兵衛と兵馬。

七兵衛は行燈の下で麻を扱いて、それを足の指の間へ挿んで小器用に細引を拵えながら、

「ねえ、宇津木様、知らぬ山道を歩くには、この細引というやつがいちばん重宝なものですよ、こいつを持って歩いてると、まさかの時にこれが命の綱となるのでございます」

兵馬は旅日記を書いていましたが、

「なかなか、器用に撚れますな」

「へえ、子供の時から慣れておりますからな。子供の時分に、こうして凧糸を拵えたものでございますよ」

七兵衛は見ているまに二間三間と綯ってゆく。

「長い道中をする者は、これと火打道具だけは忘れてはなりません。あなた様なんぞは煙草をお喫みなさりはしますまいが、それでも火打道具だけはお忘れなすってはいけませんでございます」

「それは忘れはしない」

「私共のように煙草を喫みますと、火打道具は忘れろと言っても忘れることじゃござんせん。おやおや、そんなことを言ってる間に、煙草が喫みたくなって参りました」

七兵衛は細引をやめて煙草入れを取り、日記を書いている兵馬の方をちょいと覗き込みながら、