Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
「いや、これはほんの見取図で、まだこれへ書き入れないほかの山や川や村がいくらもあるでしょう」
「そう言われるとそうでございますね。信州佐久の方へ出るところに、まだこのほかに一筋の路がございますよ。相州口にも、まだちょっとした間道がございますがな、それは処の案内者でないとわかりませんでございますよ。なるほど、この福士から富士川を上って徳間へかかって、駿河国庵原郡へ出る道は記してございますな。明日はこの道をひとつ、行ってみようというんでございますな」
「七兵衛どの」
兵馬はようやく筆を休めて、
「さてどうも長の旅路を、いろいろとお世話にあずかってかたじけない、なんともお礼の申し様もござらぬが、そなたの仕事の障りにはなりませぬか。こうしてお世話になることは、拙者にとってはこの上もない有難いことなれど、農事やその他の妨げになるようなことはないか、それがいつも心配で……」
「またしてもその御心配、それはお止めになされませ、そういうことにかけては私共は、これで気楽な身分でございます」
兵馬は七兵衛の素姓をよく知らないのです。ただ自分の娘にしているお松のために尽す行きがかりで、自分に尽してくれるのだと、こう思っています。