Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
その代りに宇津木様、あなた様のお口から七兵衛という言葉を、一口もお出し下さらぬようにお願い申しておきたいんでございます」
「そりゃ妙なお頼みだが」
「ちと変っておりますけれど、あなた様が御本望をお遂げあそばします間の七兵衛と、あなた様が御本望をお遂げあそばしました後の七兵衛と、七兵衛に変りはございませんけれど、七兵衛の名前に大した変りがございますから、どうか七兵衛、七兵衛とおっしゃらないように」
「ははは、いよいよおかしいことを言われる」
兵馬は何の合点もなく、ただ笑うばかり。
「ははは、おかしいようなことでございますが、なかなかおかしいことではないんで、うっかり七兵衛とおっしゃると罰が当りますよ」
「罰が当る?」
「そうでございます、御承知の通り私共は韋駄天の生れかわりでございまして、下手に信心をするとかえって罰が当ります」
こんな話をしてその晩はここに泊り、兵馬と七兵衛はその翌朝、暗いうちに福士川の岸を上ります。
岸がようやく高くなって川が細くなる。細くなって深くなる。峰が一つ開けると忽然として砦のような山が行手を断ち切るように眼の前に現われる。七兵衛は平らな岩の上に立って谷底を見ていたが、