Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
「それは駿河の方から来て、この少し先の入から篠井山の方へ廻ったようだ」
「そうか」
七兵衛はついにそれより以上の要領を得なかったから、
「有難う、小僧さん」
「さようなら、おじさん」
七兵衛が岩を飛び越えて、また上へ登ってしまうと、暫くして金掘りの少年は、
「うまく嚇してやった、人を尋ねると言ったのは大方あのことだろう、燧台の後ろへ行くとお化けと狼が出ると言ったら本気にしていやがった」
椀を袋へ納めて牛の背のような岩の上へのぼる。
「おーい」
「おーい」
高いところの七兵衛と兵馬、谷の中の金掘り少年と呼び交わす。
「右へ、右へ」
少年が右の方を指さすのに、兵馬と七兵衛はそれを知りながら面を見合せて左へ向う。
「右へ、右へ」
少年はしきりに叫びながら手を振って、
「おやおや、あの二人は左へ廻ったな、すると藤蔓橋のあるところを知ってるのかしら、あれを渡られるとちっと困るぞ」
上の二人は、燧台に近い細道を川沿いに、
「あの小僧、なかなか人を食った小僧でございます、この山の後ろへ廻ると、お化けと狼がいるなんぞと大人を嚇す気になっているが、どのみち近いに越したことはございませんから、この辺をひとつ向うへ突っ切って、この燧台の後ろへ廻ってみましょう」