Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
「なるほど、この山は要害の山、狼火を上げて合図をするに都合のよかりそうな山だ」
「左様でございます、土地の人は燧台とも言うし、城山とも言うそうでございますから、昔は城があったものでございましょう」
「あれ、あの小僧が手を振っている」
「右へ、右へと怒鳴っていますな。おやおや動き出した、木の椀が転がり落ちた、それをまた拾っている。いやあれは椀カケとも言い、揺鉢とも言って、あれで川の底や山の間の砂を淘げてみて金の有無を調べるんで。しかしあれだけの子供で、あれだけの慾があるのはなんにしても感心なことだ。甲州人というやつは、一体になかなか山気がある。あの小僧なんぞも、あれでよく抜けたらエラ者になりそうだ。あれ、見えなくなってしまった、また谷底へ下りたかな。おや、あの山道を駆けて行く、どこへ行く気だろう」
金掘りの少年は山の小径をドンドンと駆ける、駆けながら独言、
「あのおばさんが、江戸へ連れて行ってくれると言ったから、江戸へ行ってしまうんだ、こんな山の中では出世ができない、いくら黄金を持っていても、それを上手に使わなければ詰らねえ、黄金を上手に遣うには都へ出なければ駄目だ、山へ来て黄金を取って都へ出て遣うんだ、黄金は人に掘ってもらって、自分はいつでも都にいて、遣って儲けていた方がいいだろう。