Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
「そりゃ困ったな」
「さあ、お前案内して、間道の方から早く逃げておくれ」
「だっておっ母が里へ行ってまだ帰らねえし、それから……」
「そんなことを言ってる時ではありません、甲府まで逃げれば知った人もありますから、後はまたなんとでもなります」
「それじゃおばさん、逃げよう」
「早くそうしておくれ」
「待っておいで、大事なものを持って来るから」
「何を持って来るの」
「黄金を」
「黄金を?」
「穴蔵の中に蔵してあるから、あれを持って来るよ」
「病人に触らないようにね」
「ああ、いいよ」
忠作は、また奥の洞窟の方へ取って返して一包の袋を重そうに提げて来ました。
「これだよ」
「中に何があるの」
「黄金」
「黄金というのは、あの小判にするお金のことなの」
「そうだよ」
「どうしてそんな物を持っているの」
「俺らの死んだ父と俺らと二人で、山や谷を探して見つけ出しておいたものだよ、これだけあればおばさん、三年や五年は楽に暮して行けると言ったよ」
「それがみんな黄金なら大したもの、三年や五年どころではない、一生、楽に暮して行けるかも知れない」
「それではおばさん、これを持って行こう、きっと江戸へつれてっておくれ、江戸へ行ったらこの黄金を売っておばさんにもお礼をするから」