Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
「猪の肉とは有難い――猟師、もっと大きな鍋はないか」
「へえ、こちらにございます」
惣太は、いま炉にかけてあったのより、やや大きい三升焚きぐらいの鍋を押入の中から引張り出して、それから上り口へ寝かしておいた猪の股のあたりの肉を切りにかかった。
「大きなやつだな、この辺には、こんなのがたくさんいるか」
「へえ、大分いるにやいますがね、近頃は戦争で鉄砲の音がやかましいものですから、みんな紀州筋へ逃げ込んで、やっと五日もかかって、こいつを一つ仕止めたのでございます」
「そうか、なんにしても有難い、代はいくらでも取らせるぞ、早く料理をしてくれ」
「では、こうして丸切りにして、鍋の中へぶち込んで、ぐつぐつ煮立てて進ぜましょう」
「それがよかろう、よかろう」
惣太はよく働いて猪の肉を煮てやります。気味が悪くてたまらないけれども、ぐずぐず言えば、どんな目に逢うか知れたものでないから、神妙に言われる通りに世話していると、浪士らは寝たり起きたりして肉の煮えるのを待ち構えています。
「おいおい、猟師、黙っていてはいかんぞ、ここに有難いものがある」
磯崎という浪士が、寝ころんでいた自分の枕許で見つけ出したのが貧乏徳利であります。