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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

それから、おもむろに間の山節の歌、

夕べあしたの鐘の声

寂滅為楽と響けども

聞いて驚く人もなし

ここへ合の手が入る。

花は散りても春は咲く

鳥は古巣へ帰れども

行きて帰らぬ死出の旅

し――で――のたび、人を引張って死出の旅へ連れて行きそうな音色。お玉の面はやや斜めにして、花は散りても春はさく……の時、声が甲にかかって、ひとたび冴えていた眼が眠るように、死出の旅――で低く低く沈んで、唄を無限の底まで引いて行く。

この時、いずれかの大楼ではまたしても賑しき音頭の声、

「ヨイヨイヨイヤサ」

遠くでは賑かな音頭、この座敷では死ぬような間の山節。

この死ぬような間の山節を、死ぬような心地で聞いていたものが、五人づれの客と、それを取巻くここの一座のほかに、まだ一人はあったのであります。

中庭から向うへ張り出した中二階の一間が、間毎間毎の明るいのと違って、いやに陰気で薄暗い。それもそのはず、こには病気に悩む女、間夫狂いをする女、それらを保養と監禁と両方の意味に使用されるところですから、ここで血を吐いて死んだ女があるとか、幽霊が出るとか、そんな噂のしょっちゅう絶えたことのない一間であります。