Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
「親がわからない?」
「それがね、わかっているのですけれども、わからないことにしてあるんです」
「というのは?」
「それが、なかなか入り込んでいるんです。あの甲州街道の、駒木野のお関所の少し北のところに、お処刑場のあとがあるんでございます。今は、そこではお処刑がありませんが、昔は、あそこでよく罪人が首を斬られたものです。今の花屋の死んだお爺さんが、そのお処刑場の傍らで供養にする花を売っていました、つまり花屋という名も、そこいらから起ったんでしょうねえ。ところで、あるとき一人の浪人が、その花屋のお爺さんに一口の刀と、まだ乳ばなれのしない女の子を預けてどこかへ行ってしまいました、この女の子が、あのお若さんなのです。浪人衆は多分、父親なんでしょう、関所を通るについて、子供をつれては通りにくいことがあったのでしょう、それっきりお父さんというのが音沙汰がありませんで、女の子は花屋で引取って育てました、これがあのお若さんなんです。土地の人は、そんなことを知ってる者もありますが、知らないものもあります。本人のお若さんは、そのことを知らないでいるそうです」
「それが、どういう縁で、江戸の方へかたづいたのだ」