Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうだ、そうだ」

と聞き流していると、前棒の若いのが、

「罪つくりは女だけに限ったものでもあるめえ、男の方が、女に罪を作らせることも随分ありますねえ、旦那様」

両方から、罪のやり場を持ち込まれて竜之助は、

「そりゃ、どちらともいわれない」

この時、竜之助はふと妙な心持になりました。

五

本坊の前から炊谷へかけて森々たる老杉の中へ駕籠が進んで行く時分に、さきほどから小止みになっていた雨空の一角が破れて、そこから、かすかな月の光が洩れて出でました。

「占めた、お月様が出たよ」

老杉の間から投げられた光を仰いで、行手を安心する駕籠舁の声を、駕籠の中で竜之助は聞いて、

「ああ、雨がやんだか」

「ええ、雨がやんでお月様が出ましたよ、もう占めたものです」

「この分だと、大見晴らしから小仏の五十丁峠で、月見ができますぜ」

しかしながら、山駕籠は別段に改まって急ぐというわけでもなく、老杉の間の、この辺はもう全く勾配はなくなっている杉の大樹の真暗い中を、小田原提灯の光一つをたよりにして、ずんずん進んで行きます。

駕籠に揺られている竜之助は、天に月あることを聞いたが、身は今、この老大樹の闇の中を進んでいることを知らない。