Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

娘は、やっと縁をのぼって座敷へ通ると、そこに病人でもあるように、蒲団の上に横たわっていたのが、いま半身を起き直しているところの、一箇の男の枕辺に坐ると、

「お若どのが殺された? どこで、誰にやられました」

と尋ねるその人は、机竜之助です。

いつになっても蒼白い面。その時は僧の着るような白衣一枚で、蒲団の中にいたのですが、起き直って帯を結び直して坐ると、

「誰が何の恨みでしたのか、わたくしはすこしも存じませんが、江戸に近い巣鴨の庚申塚というところで、惨たらしく殺されてしまったそうでございます」

といって娘は、声を立てて泣きました。

「巣鴨の庚申塚で?」

「多分、追剥にでもつかまったのでございましょう……そうでなければ、人に恨みを受けるような姉ではございません」

「嗚呼!」

弁信法師が傍らから、思わず感歎の声を立てたのは、その出来事の悲惨に悲しむよりは、姉を信ずる妹の心に動かされたようです。

「姉は、人に恨みを受けるような人ではありませんでしたのに……」

娘は重ねて、さめざめと泣きながらいいました。

「いいえ、あなたの姉さんは、人に恨みを受けているのですよ」

弁信法師がいいますと、泣いていた娘は、躍起となって、