Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

て来るようです。

その時、弁信法師はこれも何と思ったか、ヒラリと縁を飛び下りて、下に揃えてあった草履を穿き、すたすたと庭へ下りて行って、庭の一隅に四寸角、高さ一丈ほどの卒塔婆が立って、その下に小石が堆く積んであるところへ来ると、腰を屈めて合掌し、

「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」

と唱えて、その小石を一つずつ取っては移し、取っては移ししていました。その時褥をガバと蹴って跳ね起きた竜之助は、白鞘の刀を抜いて縁先に立ちましたが、その見えない目は、まさしく盲法師の弁信に向っている。

「あ、先生! あなたは私をお斬りになろうというのですか」

目の見えない弁信の振向いた面は、やはりピタリと竜之助の面に合っています。

何ともいわない竜之助の白衣の全身から、まさしく殺気が迸っているのを感得した弁信の恐怖を、誰あって来り救おうとするものもありません。

ヒラリと卒塔婆の蔭に身を移した弁信は、恐怖は感じながらも、叫びを立てて人を呼ぼうでもなく、

「先生、あなたが私を斬ろうとなさるのはいけません、今までにないことでございます、今まで私は、あなたの傍におりましても、更にその殺気というものを受けたことがございませんから、少しも怖れというものが起りませんでしたけれども、今は怖れます、あなたは、たしかに私をもお斬りになろうという覚悟で、それへ