Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

「ムク」

うるみきった大きな眼と、真黒い中で、真黒い尾を振る姿を見て、

「ムク、手前は強い犬だったなあ、昔もそうだったから今もそうだろうが、強い犬になるにゃあ、飯をうんと食わなくちゃ駄目だぞ」

「…………」

「飯を食わなけりゃあ痩せちまあな、痩せちまっちゃ強い犬にはなれねえぞ、しっかりしろよ」

身を屈めた米友は、手を伸べてムク犬の首から咽喉を撫でてやり、

「宇治山田にいる時はなあ、手前がほんとうに怒って吠えると、街道を通る牛や馬まで慄え上って、足がすくんじまったものだ。こっちへ来ても、おそらく手前ほどの犬は無かろう。たとい、おいらが附いていなくたって、お松さんという人が附いている、お松さんはほんとうに親切な人なんだから、手前はよくお松さんのいうことを聞いて、飯を食わなくちゃいけねえぞ」

「…………」

「意久地なしめ、痩せてやがら。ホントに手前はいつまでも強い犬でいねえと、おいらが承知しねえぞ。遠吠え専門の痩犬は何万匹あろうとも、ほんとうに強い犬というのを殺すのは惜しいなあ、手前もちっとは自分の身が惜しいということを知れ」

米友の声がうるんできた時、お松が戻って来て、