Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
駒井甚三郎が金椎を手許に置くようになった因縁をいえば、過ぐる月、駒井はひとりで鳥銃を荷って、房州の山々をめぐり、はしなく清澄の裏山へ出て、そこで一羽の雉を撃ちとめたところから、寺の坊主の怒りを買い、烈しく責められてもてあましているところへ、山下の鴨川出身の大六の主人が参詣に来合わせて、駒井のために謝罪してことなくすんで後、駒井は大六の持船天神丸に同乗して、小湊からこちらへ送り届けられたことがあります。その時の船の中で、はしなく眼に留まったのが、右の支那少年の金椎でありました。
大六というのは、房州鴨川の町の出身で、最初日本橋富沢町の大又という質屋へ奉公し、後、日本橋新泉町に一本立ちの質屋を出して大黒屋六兵衛と名乗り、ようやく発展して西洋織物生糸貿易にまで手を延ばし、ついに三井、三野村、井善、大六と並び称せらるるほどの豪商となり、文久三年、伊藤俊輔、井上聞多、井上勝、山尾庸三らの洋行には、この人の力与って多きに居るという話です。
大六は、当時失意の境遇にあるこの人材、駒井能登守を自分の顧問に引きつけたならば、大した手柄だと思いましたけれど、別に志すところのある駒井はその話には乗らずに、同じ船の一隅でマドロスの服を着けて、帆柱の蔭で福音書を繙いている異様な支那少年の挙動に目を留めました。