Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

「ははあ、大きな犬がやって来たな」

件の大犬は、ほとんど駒井の見ている窓下まで近づいて来た時に、駒井はその犬の首に何物かが巻きついていることを知るとともに、その犬がどこかで見たことのある……と思った瞬間に叫びました。

「ムク」

おお、これはムクだ。甲府勤番支配であった時、わすれもせぬお君の愛犬。その人にも、この犬にも、無限の思い出がなければならない。それと知るや、駒井は箸を捨てて立ち上りました。

「ムク」

犬は駒井の姿を見、その声を聞くと共に、勇みをなして飛んで来る。駒井は縁先へ出てそれを迎える。

「ムク、お前はどうしてここへ来た」

あやしみ、喜びながらもまず気になるのは、その首に巻きつけられた、五寸ほどに切った竹筒を、麻の縄で両方からムクの首に結いつけてあるもの。駒井は、その竹筒を外して見ると、中に一通の書状、手は女で文言の意味は、

「駒井能登守様。

殿様は今、どちらにおいでなさるか存じませんが、私はお君様に代って、殿様に悲しいお便りを申し上げなければなりません。

この十三日に、お君様は亡くなりました。お君様は亡くなりましたけれども、若様はお丈夫でございます。