Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

「先生、それではいかがでゲスな、物の本に出ておりまする昔の英雄、豪傑といったような者も、みな『様』づけでお呼びになりますか」

「そうだとも、無論のことだ、英雄、豪傑というものは神様の次だ」

「そう致しますると先生、弓削道鏡様が和気清麻呂様を……」

「そうだとも」

「楠正成様が足利尊氏様に亡ぼされ……」

「その通り」

「曾我の兄弟様が工藤祐経様をお討ちになった……」

「それに違いないじゃねえか」

「太閤様のところへ、石川五右衛門様が盗賊にお入りになった……」

「そうだとも」

「それじゃ先生、どちらがいい人間だか、悪い人間だか、わからなくなっちまいますね」

「べらぼう様、天のような広い心を持て。天は悪い奴にも、いい奴にも、おなじように日を照らせたり、雨を降らせたりする」

先生の気焔が、いよいよあがって、ものやわらかな豆腐屋の隠居では受けきれなくなりましたから、デモ倉が代って出ました。

「そうすると先生、たとえば芝居を見にいってもですね、団十郎様が由良之助様をおやりになったとか、九蔵様の実盛様を拝見して来たとかおっしゃるんですか」

「そうだとも。第一、役者だからといって、横町のおちゃっぴイまでが呼捨てにするのは怪しからん、氏とか、様とかつけるべきものだ。