Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
「天樹院殿
栄誉源法松山
大禅定尼」
が読めなかったはずはない。側面へまわれば「寛文六年二月六日」の忌日の文字までも瞭々と見えるはずであったのに――
二代将軍を父に持ち、豊臣秀頼を夫として、大阪の城に死ぬべかりし身を坂崎出羽守に助けられ、功名の犠牲として坂崎に与えられるべかりしを、本多忠刻と恋の勝利の歓楽に酔って、坂崎を憤死せしめた罪多き女、その後半生は吉田通ればの俚謡にうたわれて、淫蕩のかぎりを尽した劇中の人、人もあろうに宇治山田の米友は、この女のために、無用の力を絞っていました。
十八
両国橋の女軽業の親方お角は、その夕方自宅へ帰って来ると、早くも家の様子でそれと知って、歯ぎしりをして口惜しがったのは申すまでもありません。
「ちぇッ!」
と男のするように舌打ちをして、二階へ上って見る気にもならなかったのです。
「わかってる、わかってる、知恵をつけた奴はわかってるよ、何かにつけてケチをつけたがるあのおたんちんめ、どうするか覚えていやがれ」
とののしったのは、当のお銀様のことではありません。また、お銀様に向ってよけいなことを喋った金助のことでもありません。