Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

「どちらでもいいではないか」

「いいえ、シラホネとお読みにならなければ違います」

「それでも、白馬ヶ岳をハクバと読むように……」

「白骨の温泉は、昔白船の温泉といいました、それを後の人がシラホネと読むようになりました。それをまたハッコツとお読みになったのでは人が迷います」

「では、そのシラホネへ行く道は?」

竜之助が、素直に問い返しますと、路上に記された「白骨」の文字を、またたきもせずに見ていた女の子が、

「そうですね……やっぱり、ハッコツの方がようございますか知ら。シラホネと読むのも、ハッコツと読むのも、同じようなものですけれど……」

竜之助の問いには答えないで、女の子はしきりに文字の末に拘泥していますから、

「読み方はドチラでもよろしい、わしは、ただそこへ行く道を知りたいのだ」

といいますと、女の子は、

「それを教えて上げましょうけれど、あなたは白骨の温泉へ何しにおいでなさるの」

「身体を丈夫にするために……」

「身体を丈夫にして、何をなさるの?」

「それは……」

「身体を丈夫にして……」

「…………」

ふと少女の立っていた燈籠の火が消えました。一つ消えると、すべての火がことごとく消えてしまいました。