Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

「この間あるところで」

「お転びになったのですか」

「いいえ」

「それでは戸の間へ、はさまれたのでしょう、あれはあぶないものです」

「そうでもありません」

「巻いて上げましょう」

女――この兵馬の馴染になっている万字楼の東雲は、兵馬の手から繃帯の一端を受取って、軟らかな手で結びはじめました。

「宇津木さん」

手際よく繃帯を巻きながら女は、やさしく問いかけますと、

「何です」

「あなたは、隠していらっしゃいますね」

「何を」

「何をとおっしゃって、あなた、このお怪我は、ただのお怪我ではありません」

「ただの怪我でないとは?」

「よく存じておりますよ、あなた様のお連れの方々のお噂では、あなたはお若いけれども、たいそう武芸がお出来なさるそうではございませんか」

「なにも、出来はしないよ」

「いいえ、お出来になることはよくわかっています、そのあなた様が、たとい、これだけにしても、手傷をお負いになるのは、よくよくのことでございます」

「そういうわけではないのだ」

「ほほ、そういうわけとおっしゃっても、まだそのわけを言わないじゃありませんか、あたし、最初から、あなた様の御様子のおかしいことを、ちゃんと見ておりました」