Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

「宇津木様、お待ち申しておりました」

その声を聞くと兵馬は、飛び出つ思いです。

今日は七兵衛が笠もかぶらず、合羽も着ず、着流しに下駄穿きで、近在の世話人が、公事で江戸へ出向いて来たような風采。

「お約束のお金を、ここへ持って参りました」

といって、懐ろから風呂敷包を取り出す。

「これはありがとう、なんともお礼の申しようがありませぬ」

実際、兵馬は夢のように喜びました。今まで半信半疑とはいうものの、疑いの方が先に立つもどかしさが一時にとれてしまったので、その包を受取ると、もう足が小躍りして、じっとしていられない思いです。

「御自由にお使い下さいまし。しかし、申し上げておきませんければならないことは、もし、そのお金の出所を人から問われるようなことがありましても、七兵衛の手から出たということは、決しておっしゃらないように……それと、もう一つは、先日申し上げました通り、お松というもののことをお忘れ下さらないように――」

「万事、心得ています」

兵馬は七兵衛の言葉もろくろく耳には入らない。

「それでは、私も急ぎの用事がございますから、これでお暇を致します……」

「拙者もこうなった上は一時も早く……」