Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぐじんのどく

大雷雨夜の殺人 他8編

小酒井 不木

Lesen Sie 大雷雨夜の殺人 他8編 (ぐじんのどく) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.456 Zeichen · 55 Bildschirme

Aozora Bunko

彼女はトランプが大好きでしたから、わたしたちはたびたびゲームを行い、負けた者には顔なり身体なりへ墨を塗ることにしました。で、たいていしまいには三人とも、世にも不思議な顔をしてお湯の中へ飛び込みました。のちにはわたしたちは彼女の身体へ蛇や蛙のような気味の悪いものを書いたり、またはおかめの面などを書いて悪ふざけをしました。けれども、客があまり沢山いませんでしたから、わたしたちは互いに身体じゅういっぱいに落書きをされて平気でお湯へやって行きました。ひとたび湯滝に打たれると、念入りな落書きもみごとに洗い去られてしまいました。

ある日の午後、わたしたち三人が例のごとく身体じゅうを面妖な墨絵に包まれて、笑い興じながらお湯にやって行きますと、一人の五十ばかりの白髪童顔の紳士が千人風呂に入っていました。いつもたいていの客はわたしたちの姿を見てかならずにっこりするのでありますが、その紳士はこうした悪戯を好まないとみえて、看護婦の胸に描かれた蟹の絵を見るなり、ぎょっとしたような顔をしてわきを向きました。しかし看護婦はそれに気がつかなかったとみえ、相変わらず愉快にはしゃぎながら、湯滝の壷へ下りていきましたが、わたしと町田とはちょっと変な気持ちになり、互いに顔を見合わせて続いて下りていきました。