Japanische Klassiker mit Furigana
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てんしゅものがたり
天守物語
泉 鏡花
Lesen Sie 天守物語 (てんしゅものがたり) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.593 Zeichen · 42 Bildschirme
中より、色白き男の生首を出し、もとどりを掴んで、ずうんと据う。
や、不重宝、途中揺溢いて、これは汁が出ました。(その首、血だらけ)これ、姥殿、姥殿。
舌長姥 あいあい、あいあい。
朱の盤 御進物が汚れたわ。鱗の落ちた鱸の鰭を真水で洗う、手の悪い魚売人には似たれども、その儀では決してない。姥殿、此方、一拭い、清めた上で進ぜまいかの。
夫人 (煙管を手に支き、面正しく屹と視て)気遣いには及びません、血だらけなは、なおおいしかろう。
舌長姥 こぼれた羹は、埃溜の汁でござるわの、お塩梅には寄りませぬ。汚穢や、見た目に、汚穢や。どれどれ掃除して参らしょうぞ。(紅の袴にて膝行り出で、桶を皺手にひしと圧え、白髪を、ざっと捌き、染めたる歯を角に開け、三尺ばかりの長き舌にて生首の顔の血をなめる)汚穢や、(ぺろぺろ)汚穢やの。(ぺろぺろ)汚穢やの、汚穢やの、ああ、甘味やの、汚穢やの、ああ、汚穢いぞの、やれ、甘味いぞのう。
朱の盤 (慌しく遮る)やあ、姥さん、歯を当てまい、御馳走が減りはせぬか。
舌長姥 何のいの。(ぐったりと衣紋を抜く)取る年の可恐しさ、近頃は歯が悪うて、人間の首や、沢庵の尻尾はの、かくやにせねば咽喉へは通らぬ。