Japanische Klassiker mit Furigana
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てんしゅものがたり
天守物語
泉 鏡花
Lesen Sie 天守物語 (てんしゅものがたり) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.593 Zeichen · 42 Bildschirme
女郎花 矢狭間も、物見も、お目触りな、泥や、鉄の、重くるしい、外囲は、ちょっと取払っておきました。
薄 成程、成程、よくおなまけ遊ばす方たちにしては、感心にお気のつきましたことでございます。
桔梗 あれ、人ぎきの悪いことを。――いつ私たちがなまけましたえ。
薄 まあ、そうお言いの口の下で、何をしておいでだろう。二階から目薬とやらではあるまいし、お天守の五重から釣をするものがありますかえ。天の川は芝を流れはいたしません。富姫様が、よそへお出掛け遊ばして、いくら間があると申したって、串戯ではありません。
撫子 いえ、魚を釣るのではございません。
桔梗 旦那様の御前に、ちょうど活けるのがございませんから、皆で取って差上げようと存じまして、花を……あの、秋草を釣りますのでございますよ。
薄 花を、秋草をえ。はて、これは珍しいことを承ります。そして何かい、釣れますかえ。
女童の一人の肩に、袖でつかまって差覗く。
桔梗 ええ、釣れますとも、もっとも、新発明でございます。
薄 高慢なことをお言いでない。――が、つきましては、念のために伺いますが、お用いになります。……餌の儀でござんすがね。