Japanische Klassiker mit Furigana
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てんぐいわのさつじんま
天狗岩の殺人魔
山本 周五郎
Lesen Sie 天狗岩の殺人魔 (てんぐいわのさつじんま) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.872 Zeichen · 18 Bildschirme
――もう是以上は削れない。些っと押せば、それで危い!
死ぬ時に、妙な言を口走ったのは、つまり其事を云ったのである。
然し源助を生かして置いては奸計が曝れるので、「殺人鬼が潜入した」という騒ぎを利用し、自分の手で源助を殺したうえ、如何にも権六が殺害したように拵えたのである。そして万事手筈がととのうと、大倉山で殺人鬼を見た(是は無論嘘であった)と訴え、村人たちの注意を大倉山の方へ向けて置いて、平野氏を釣に誘い出したのである。
「柳の虫を獲るどころか、自分は裏山から先廻りをして天狗岩の処で馬車の来るのを待っていたんですよ」
「ああ――実に、実に恐ろしい奴だ」
平野氏は身震いをした。
「然し天罰ですね」
祐吉もしんみりと云った。
「自分のかけた罠、それと同じような結果に成って自分も死んだ……あの方が彼のためにも幸福でしょう」
「そうだ、儂の一族から殺人犯を出さずに済んだ事も有難い、おまえの探偵癖が、こんなに役に立つとは思わなかったぞ」
「しかし、遺産は要りませんよ」
祐吉は朗かに笑った。