Japanische Klassiker mit Furigana
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てんま
天馬
金 史良
Lesen Sie 天馬 (てんま) von 金 史良 (きむさりゃん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.407 Zeichen · 70 Bildschirme
行列が通り過ぎてしまうと彼は又急に慌てて出口まで飛び出した。物陰に息をひそめてどんよりとした目で眺めれば、それはもうひっそりとして遠くに消えかかっている。もはやどこか行列の中へでもまぎれ込んだらしく姿を消した女流詩人のことは忘れ去って、玄竜は行列の進んで行った方向とは反対の方へ、誰かかに追われてでもいるかのように逃げて行った。頭の中が砂を一杯ぶち込まれたようにくらくらと混乱しているのだ。時々ホテル、お寺という想念が雲母の如くぎらぎらと光を帯びて正面に塞がるけれど、立ち所に又激しい砂風におおいまくられてしまう。何だか薄寒い日である。今に月でも出そうな朝であると、彼の心の一隅に別な人間がいて思うようだった。だが月どころか小雨がしょぼしょぼと降り始めた。路行く人々の足が目立って急がしくなってゆく。玄竜は電車路の真中を狂犬のようにあてどもなく進んで行った。もうぼうぼうの頭が雨に濡れて渦を巻き、肩は雨で重そうに垂れていた。自動車が傍を掠めて走り電車は後ろの方で激しく警笛を鳴らす。その音がようやく耳にはいると彼は黙ったまま静かによけるのだった。時にはよけると共に振り返って拳を振り上げて、「野郎僕を殺す気か」