Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たいへいようまじょう

太平洋魔城

海野 十三

Lesen Sie 太平洋魔城 (たいへいようまじょう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.147 Zeichen · 187 Bildschirme

Aozora Bunko

たったこれだけじゃ、第一酔いがまわってこないじゃないか、うーい」

そうはいうものの、顔は、もうトマトのように赤かった。

そこへ電話のベルがじりじりなりだした。

「ええい、うるさい」

リーロフは、空の酒壜を逆手にとって、電話器になげつけた。

壜はがちゃんとわれて、破片が、そこら一面とびちったが、電話のベルはなおもじりじりと、なりつづける。

「ふーん、またケレンコの呼び出しだろう。うるさい大将だて」

リーロフは、ふらふらと立ち上って、電話器のところへいって、受話器をとりあげた。

「はあ、リーロフです。え、なんですって。さっき沈めたイギリスの商船の中から、こっちで使えそうな貨物をひっぱりだせというのですか。なに、私にその指揮を? ふーん、私はそんなまねはいやでござんすよ」

リーロフは、もうぐでんぐでんによっていた。受話器をもったまま、かたわらの安楽椅子のうえに、だらしなく尻をおろした。やはり電話の相手は、ケレンコ委員長であった。

「いいえ、ちがいますよ、委員長。私は酒なんぞに酔っていませんよ。第一酔うほどに、酒がないじゃありませんか」

といっていたが、その時ケレンコからなにをいわれたか、急ににやりと笑顔になって受話器をにぎりなおした。