Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
Lesen Sie 太平洋魔城 (たいへいようまじょう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.147 Zeichen · 187 Bildschirme
どこからともなく、熱帯果実の高い香がただよってくる。
太平洋横断アメリカ行の飛行艇サウス・クリパー号は、湾内にしずかに真白な翼をやすめていた。それはちかごろ建造された八十人乗りの大飛行艇で、アメリカの自慢のものだった。
太刀川は、四ツ星漁業会社の出張員という身分証明書で、この飛行艇の切符を買うことができた。
七月三日、いよいよサウス・クリパー機の出発の日だ。
太刀川は、朝九時、一般乗客にうちまじり、埠頭からモーター・ボートにのって、飛行艇の繋留されているところへ急いだ。
モーター・ボートが走りだしてから、太刀川はあたりをみまわしたが、まるで人種展覧会のように世界各国の人が乗りこんでいる。アメリカ人イギリス人はいうに及ばず、ドイツ人やイタリヤ人もおれば、インド人、黒人もいる。また顔の黄いろい中国人もいた。日本人は、彼一人らしい。
「ああ痛! ああ痛! 足の骨が折れたかもしれねえぞ。だ、誰だ、俺の足を鉄の棒でぶんなぐったのは」
太刀川の耳もとで、破鐘のような大声がした。それとともに、ぷーんとはげしい酒くさい息が、彼の鼻をうった。すぐ隣にいた大男の白人が、どなりだしたのであった。