Japanische Klassiker mit Furigana
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だいきょしほうでん
太虚司法伝
田中 貢太郎
Lesen Sie 太虚司法伝 (だいきょしほうでん) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.847 Zeichen · 16 Bildschirme
大異はあがってこられたら大変だと思った。彼は油断せずに死骸の行動をじっと注意していた。
急に四辺が明るくなって夜が明けたようになった。雨が竭んで月の光が射してきたところであった。大異はやっと気がおちついた。
死骸は依然として木の下で罵っていた。大異はさっきの鴉はどうしたろうと思って注意した。黒い鴉の影はもう一つも見えなくなっていた。
遠くの方で叫ぶとも呼びかけるとも判らない声が聞えた。大異はその方へ眼をやった。背の高い怪しい者が月の光を浴びて、こちらへ向いて大胯に歩いてくるのが木の間から見えた。
怪しい者はみるみる近くなってきた。それは額に二本の角のある青い体をした夜叉であった。大異の口元には嘲笑が浮んだ。大異はまたへんな奴がきやがったが、今度はどんなことをするだろうと思って、またたきもせずに見ていた。
夜叉は死骸の側へ来た。そこには木の上に向って何か言っている一つの死骸があった。夜叉はひょいと手を延べてその死骸の頭へやった。と、頭はぼっきりと折れたようになって夜叉の手に移った。それと同時に死骸は麻殻のように倒れてしまった。
夜叉は手にした死骸の頭を大きな赤い口へ持って往ってむしゃむしゃといだした。