Japanische Klassiker mit Furigana
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たいようとほしのした
太陽と星の下
小川 未明
Lesen Sie 太陽と星の下 (たいようとほしのした) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 5.419 Zeichen · 11 Bildschirme
まりを投げているさいちゅうでした。
「Kちゃん、君に飛行機が見える。」と、S少年は、なにを思い出したか、手をやすめて、空をながめました。
Kも手をやすめて、おなじく空をながめたのです。
「音はするけど、なんにも見えないね。Sちゃんには見える。」と、Kは、ききかえしました。
「たいへん近く音がきこえるけど、わからない。よっぽど高いところを飛んでいるんだね。」
二人は、しばらく、ボールを投げるのを忘れて、夢中で、飛行機をさがしていました。戦後、彼らの希望は失われたので、せめてその姿だけでも見たかったのです。この瞬間にも、せめて思いきり高く上がって、自由に飛べたらという、あこがれが胸の中を、わくわくさせました。やがて、空は、石竹色から、オレンジ色と変わって、暮れかかったのであります。
すでに、あのときから、はや一週間近くたったであろうか。少年は、あの中国の女のおどっている、赤いさらが見たくなりました。
「散歩してこようか。」
町へくると、いつものごとく、トラック、自転車、自動車が走っていました。さんさんたる太陽が、あらゆる地上の物体を光の中にただよわせていました。