Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かのうせいのぶんがく

夫婦善哉

織田 作之助

Lesen Sie 夫婦善哉 (かのうせいのぶんがく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.834 Zeichen · 94 Bildschirme

Aozora Bunko

「こいつ奴!」

と、思わず出掛った言葉に代る「よう!」という声をいっしょにあわててチラシをうけとったが、それは見ずに、

「どうしてたんだい? 妙なところで会うね」

チラシ撒きなんぞに落ちぶれてしまったかと、匂わせながら言うと、案外恥じた容子も見せずに、酒蛙酒蛙と、

「――いや、どうもすっかり御無沙汰しまして……。いつぞやは、飛んだ御迷惑を……」

と、それで、湯崎の一件を済して置いて、言葉を続け、

「――実は、あれから、朝鮮へ行って、砂金に手を出したりしましたんですが、一杯くわされましてな、到頭食いつめて、またこちらへ舞い戻って来ました」

「――そりゃ大変だったね」

と鷹揚に湯崎でのことは忘れたような顔をして、

「それで、なにはどうしてるんだね? 今でもやっぱし……」

お前と一緒にいるのかと、わざとぼんやりきくと、お前は直ぐお千鶴のことだと察し、

「ああ、――あいつですか。朝鮮に残して来ました。これをしてますよ」

三味線をもつ真似をしてみせ、けろりとしていた。

「――なるほどね」

と、おれも平気な顔をしていた筈だが、果してどうか。実は内心唸っていたのだ。が、いつまでもお千鶴のことを立ち話にきくのも変だと、すぐ話をかえて、