Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めおとぜんざい

夫婦善哉

織田 作之助

Lesen Sie 夫婦善哉 (めおとぜんざい) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.643 Zeichen · 61 Bildschirme

Aozora Bunko

こない言うたきり親父はもう物も言いくさらん。そこで、蝶子、ここは一番芝居を打つこっちゃ。別れた、女も別れる言うてますと巧く親父を欺して貰うだけのものは貰たら、あとは廃嫡でも灰神楽でも、その金で気楽な商売でもやって二人末永う共白髪まで暮そうやないか。いつまでもお前にヤトナさせとくのも可哀想や。それで蝶子、明日家の使の者が来よったら、別れまっさときっぱり言うて欲しいんや。本真の気持で言うのやないねんぜ。しし、芝居や。芝居や。金さえ貰たらわいは直き帰って来る。――蝶子の胸に甘い気持と不安な気持が残った。

翌朝、高津のおきんを訪れた。話を聴くと、おきんは「蝶子はん、あんた維康さんに欺されたはる」と、さすがに苦労人だった。おきんは、維康が最初蝶子に内緒で梅田へ行ったと聴いて、これはうっかり芝居に乗れぬと思った。柳吉の肚は、蝶子が別れると言ってしまえば、それでまんまと帰参がかない、そのまま梅田の家へ坐り込んでしまうつもりかも知れぬ。とそうまではっきりと悪くとらず、またいくら化粧問屋でもそこは父親が卸してくれぬとすれば、その時はその時で悪く行っても金がとれるし、いわば二道を掛けているか、それとも自分で自分の気持がはっきりしてないか、何しろ、柳吉には子供もあることだと、そこまでは口に出さなかったが、いずれにせよ蝶子が別れる