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Japanische Klassiker mit Furigana

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きかいなさいかい

奇怪な再会

芥川 竜之介

Lesen Sie 奇怪な再会 (きかいなさいかい) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.996 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

辞職の許可が出さえすれば、田宮が今使われている、ある名高い御用商人が、すぐに高給で抱えてくれる、――何でもそう云う話だった。

「そうすりゃここにいなくとも好いから、どこか手広い家へ引っ越そうじゃないか?」

牧野はさも疲れたように、火鉢の前へ寝ころんだまま、田宮が土産に持って来たマニラの葉巻を吹かしていた。

「この家だって沢山ですよ。婆やと私と二人ぎりですもの。」

お蓮は意地のきたない犬へ、残り物を当てがうのに忙しかった。

「そうなったら、おれも一しょにいるさ。」

「だって御新造がいるじゃありませんか?」

「嚊かい? 嚊とも近々別れる筈だよ。」

牧野の口調や顔色では、この意外な消息も、満更冗談とは思われなかった。

「あんまり罪な事をするのは御止しなさいよ。」

「かまうものか。己に出でて己に返るさ。おれの方ばかり悪いんじゃない。」

牧野は険しい眼をしながら、やけに葉巻をすぱすぱやった。お蓮は寂しい顔をしたなり、しばらくは何とも答えなかった。

十

「あの白犬が病みついたのは、――そうそう、田宮の旦那が御見えになった、ちょうどその明くる日ですよ。」

お蓮に使われていた婆さんは、私の友人のKと云う医者に、こう当時の容子を話した。