Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きかいなさいかい

奇怪な再会

芥川 竜之介

Lesen Sie 奇怪な再会 (きかいなさいかい) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.996 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

ある時は床へはいった彼女が、やっと眠に就こうとすると、突然何かがのったように、夜着の裾がじわりと重くなった。小犬はまだ生きていた時分、彼女の蒲団の上へ来ては、よくごろりと横になった。――ちょうどそれと同じように、柔かな重みがかかったのだった。お蓮はすぐに枕から、そっと頭を浮かせて見た。が、そこには掻巻の格子模様が、ランプの光に浮んでいるほかは、何物もいるとは思われなかった。………

またある時は鏡台の前に、お蓮が髪を直していると、鏡へ映った彼女の後を、ちらりと白い物が通った。彼女はそれでも気をとめずに、水々しい鬢を掻き上げていた。するとその白い物は、前とは反対の方向へ、もう一度咄嗟に通り過ぎた。お蓮は櫛を持ったまま、とうとう後を振り返った。しかし明い座敷の中には、何も生き物のけはいはなかった。やっぱり眼のせいだったかしら、――そう思いながら、鏡へ向うと、しばらくの後白い物は、三度彼女の後を通った。……

またある時は長火鉢の前に、お蓮が独り坐っていると、遠い外の往来に、彼女の名を呼ぶ声が聞えた。それは門の竹の葉が、ざわめく音に交りながら、たった一度聞えたのだった。