Japanische Klassiker mit Furigana
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きかいなはなし
奇怪な話
豊島 与志雄
Lesen Sie 奇怪な話 (きかいなはなし) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.130 Zeichen · 14 Bildschirme
彼は別に驚きもせず、ペンを走らせる。そして書き終えて立上ると、幻覚は消えてしまっている……。
ソリエはその現象を、神経病の一種のオートスコピー・エクステルヌと云っている。放縦不規則な生活や、脳をも侵す病気や、過度の労作などで、可なり重い神経系統の混乱に陥っていたモーパッサンのことだから、単に精神病の一種としてもよいだろうが、然し、精密な没我的な観察にのみ終始して、その観察眼がやがて自分自身にも向けられ、行動する自己と、それを見守る自己と、そうした二重の気持の心境に陥ってたことを考えると、幻覚の由って来るところを、心理的にも見てよいだろうと思われる。
このような幻覚を発展さした彼の短篇小説をめくると、いろんなことが書かれている。
或る日、家に戻ってきて、室にはいってみると、誰かが自分の肱掛椅子に坐っている。不在中に友人でもやって来て、自分の帰りを待ちながら居眠ってるのかも知れない。それで、近寄っていって、その肩に手をかけようとすると……手は椅子の背にふれて、人の姿は消えてしまった。
また、誰か始終自分につきまとってる男があるような気がして、不安に思っていると、その男がやがて、自分自身になってしまう。