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Japanische Klassiker mit Furigana

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.286 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

百姓塗炭の苦しみ、御貴殿も御存じであろう。父上を御諌めの折もあろうに、何んという怠慢――」

「――――」

語気は熱して次第に火の出るよう。

「あまつさえ、勘定奉行大橋近江守殿を欺き、本多伯耆守殿にまで御迷惑をかけ、百姓共の強訴を拒んで、大公儀の御眼を昏ます不届千万の処置振り、天人倶に許さざる暴戻とは此事で御座るぞ――その兵部少輔殿の倖風情が、拙者の娘を申受け度いなどとは以ての外だ、とっとと帰らっしゃれ――何、そう言ったが不足だと仰しゃるか、宜しいお相手仕ろう、四人や五人の腰抜武士を恐るる拙者では無い、さア」

五十幾歳の遠藤主膳、一刀を提げて立つと、縁側の障子を押し開けて、夜の庭に飛出そうとするのです。

が、相手の五人は思いの外腰抜けでした、遠藤主膳の気組に驚いたか、それとも外に思う仔細があったか、挨拶もせずに立ち上ると、互に顔を見合せて、追われた猫の子のように、コソコソと、真にコソコソと庵の外へ逃出してしまったのです。

「馬鹿奴ッ」

遠藤主膳は縁側に立って、闇の中に面白そうな哄笑を響かせて居ります。

この五人の主従は言う迄もなく偽者で、山中に金森出雲守主従を襲ってその装束を剥ぎ取り、領主の御曹司に化けて、稀代の美人桂姫を奪いに来た、近在のあぶれ者の仲間だったのです。