Japanische Klassiker mit Furigana
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.286 Zeichen · 20 Bildschirme
三
「ところで、お客様方、いずれよりお越しで御座る、差支えなくば承わり度い」
「――――」
「裏金の御冠物、金銀の御佩刀――御召物の裏梅の紋所――並々ならぬ方とは存ずるが」
主人も暫らくは判断に迷った様子です。
「いかにも、御察しの通り、並々ならぬ御身分の御方様に御座ります」
「と仰しゃるのは、若しや」
年輩の家来の急に改まった調子に、主人はハッとした様子です。
「当国の御領主、金森兵部少輔様御嫡、同じく出雲守に御座ります」
「えッ」
予期したことでしたが、名乗られて見ると主人も驚かないわけには行きません。が、それにしても何んか仔細のあることでしょう。領主の若君と聴いても、さして恐るる風もなく、首を挙げて昂然と相対しました。
三
話の運びは早い方が宜いでしょう。
五人の客――金森出雲守頼門の一行が、此庵室を訪ねたのは、山狩の道に迷ったというのは口実で、実は――庵主の娘桂を、側近く召仕い度い、今晩直ぐでも、城中へ召連れ帰るであろう――と言う、途方もない強談を持って来たのです。
「それは罷り成りません」
庵主は屹と頭を挙げました。
「領主の御思召に反いても」
家来の一人は猛り立ちました。