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Japanische Klassiker mit Furigana

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.033 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

二

従って笠森仙太郎は快活で、丹波丹六は沈鬱な外貌を持っていたことは御想像の通りですが、男前に至ると、何んと全く反対で、笠森仙太郎は背の低い、よく肥ったどちらかといえば醜男だったのに対して、一方丹波丹六の方は華奢な細面で、色白で、豊頬隆準の好男子だったのです。

笠森仙太郎の出世も見事でしたが、丹波丹六の躍進も水際立っておりました。受付から一転して平社員に、再転して課長心得に、五年目にはもう、笠森仙太郎と並んで、若手社員の双璧と云われるようになっていたのです。

どちらも同じ学校出の二十八歳、どちらも社長のお覚え目出度かったのですが、何の因果か、二人はたった一人の女――社長の娘の美奈子というのを恋するようになって、ここに才人と努力家と、醜男と美男子と、偶然家と漸進家との、命をかけての争いが始まることになったのでした。

二

社長皆川敬吉の令嬢美奈子は、妖精のような娘でした。ローランサンの描く美女の蒼白い魅力と、ルノアールの描く裸婦の生々しい肉感とを併せ備える女があると想像し得たら、それは即ち皆川社長の令嬢美奈子の、世にも不思議な姿を彷彿させることができたでしょう。