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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選

野村 胡堂

Lesen Sie 奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.249 Zeichen · 62 Bildschirme

Aozora Bunko

平次は穏やかに問い進みました。

「私も面喰っておりますよ、――尤も、番頭や弟の金三郎には、時々、死にたい――と漏らしたそうですが、自分でこんな座敷牢みたいなものを拵えて入ったくらいですから、配偶の私も寄せつけなかったのです」

「殺されるかもしれないと言っていたと聴きましたが――いったい誰に殺されそうだったので?」

「さア、そんな筈はないと思いますが、何分、少し気も変になっておりましたから」

「ところで、これは大事なことですが、旦那は、松前屋三郎兵衛の跡を継いだのでしょうか、それとも――」

「いや、私は先代の亡くなった後、人のすすめで、入婿に入ったとは言っても、表向祝言をしたわけではありません」

「では、お嬢さんのお君さんは、平松屋の跡取ではないわけでしょうな」

「その通りで、尤も平松屋の店は、先代の松前屋から、私が買受けたことになっております。念のために、番頭の為之助が証人で松前屋三郎兵衛の判を捺した証文があります。お目にかけましょうか」

「いや、それには及びません。ところで、この離屋の持主はどういうことになっております」

「証文には店、蔵、一式となっているが、離屋のことは書き漏らしております。