Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選
野村 胡堂
Lesen Sie 奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.249 Zeichen · 62 Bildschirme
親分。あの女は?」
「あの女は馬鹿だよ。男というものを手玉に取って、この世の中に自分ほど悧巧なものはないと思っている女の見本だよ。男は手玉に取られたような顔をしているだけの事さ。そして、幾人も幾人もの男から捨てられていく女だよ。――あんな細工をして人を殺せる柄じゃない」
平次は番頭の為之助を案内に、二階へ登って、表二階の金三郎の部屋から、裏二階の為之助のときどき泊るという部屋まで、念入りに調べました。そして提灯を振り照らしたまま、庭へ降り立ったのです。
「八、その窓の下あたりに、梯子を掛けた跡がある筈だ、見てくれ」
「――」
八五郎は提灯を振り照らして念入りに庭を調べておりましたが、やがて、奇声をあげます。
「ありますよありますよ、四角な跡が二つ。一尺くらい離れて、斜に土に喰い込んで」
「それで宜い。ところで、梯子はどこにある、番頭さん」
「ツイそこの物置にある筈で」
「それを持って来てくれ」
「これでしょう、親分」
八五郎は九つ梯子を一丁、物置の軒から持って来て、庭の四角な跡に据えました。ピタリと梯子の跡が合います。
「窓の上の欄間の蔀が外からでも開くだろう、やってみてくれ」