Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選
野村 胡堂
Lesen Sie 奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.249 Zeichen · 62 Bildschirme
留守だから、そっと亥刻(十時)ごろ裏口から入って、土蔵の蔭へ来て下さい――とこう言うじゃありませんか」
「で?」
「行ってやったものでしょうか。ね、親分」
「お、気味が悪い。人の膝なんかゆすぶりやがって、金の相談なら引受けるが、情事の相談はお門違いだよ。たって訊きたかったら明神様の境内にいる、白い髯の小父さんに訊くが宜い」
「あの易者は当りませんよ。このあいだ紙入を落したとき十二文の見料を出して訊くと、水に縁があり、木に縁があるところを捜せというから、一生懸命ドブを引っ掻き廻していると、伯母さんが仏壇の中から見付けてくれましたよ。婆アに縁があり、線香に縁があるとでも吐かしゃ宜いのに」
「話はそれっきりか」
「おまけがありますよ。――番頭の為之助というのは、平松屋源左衛門が、武家だった頃の味噌摺用人だったそうで、五十年輩のニヤニヤした爺仁ですが、あっしとお君が話しているのを見かけて、――後で、お嬢さんも可哀そうだ、親分は幸い仲が良いようだから、なんとか言ってやって下さいよ。あの人が嫁にでも行けば、世話の仕手がなくなって、内儀のお駒さんも自分で拵えた座敷牢から出て来る気になるかもしれません――と、こんなことを言っていましたが」